高木貞治プロジェクト・代数的整数論

高木貞治プロジェクトとは

2011年1月1日をもって高木貞治先生の著作権が切れ, 著作物の内容を様々な形で利用できるようになりました.
そこで著作物の内容を Web 上で公開していくプロジェクトが開始されました.

ここがプロジェクト・ホームになると思います. http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/blog/node/2574

事の起こりの流れは Togetter にまとめられています. http://togetter.com/li/86256


公開している場所としては Wikisource が適切だろうということで, Wikisource:高木貞治プロジェクトで公開されています.

私はちょうど所有していた「代数的整数論」という本の目次だけ書いたものをひとまず Wikisource に作ってみました.


ただ他の著作と同じく著者である高木貞治先生の没後に改訂が入っていて, 本の著作権の状態が不明になっています.
そのため出版社に問い合わせのメールを送ることになりました.

質問メール文面の公開

@jin_in さんが共立さんと岩波さんに送る著作権に関する質問メールの本文を参考に (というかほぼそのままですが) 私も文面を作成し公開したいと思います. まずい箇所などあればご指摘ください.

株式会社岩波書店御中


高木貞治先生の没後50年が経過したことにより、2011年で高木先生の著作物に対する著作権の保護期間が切れました。これに伴い、高木先生の著作をインターネット上に入力するプロジェクトが開始されています。


青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1398.html


Wikisource
http://ja.wikisource.org/
http://ja.wikisource.org/wiki/Wikisource:高木貞治プロジェクト


三重大学奥村先生のブログ
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/blog/node/2574


本プロジェクトでは、「代数的整数論」も対象になっており、入力に際しては第2版を利用する方針にしております。入力に際しては初版を利用すれば問題ないのですが、初版は第2版に比べ大学の図書館等でないと入手しにくいことや、読みやすさを考えますと、御社発行の「代数的整数論第2版」を底本としたいと考えています。この本の補遺に「第2版 跋」という節が設けてあり、初版からの改訂箇所が列挙してあるのですが、署名部分が「(1971年3月,S. K. 記す)」となっていて、改訂が行われた部分の著作権の扱いがどうなっているか理解できておりません。


本プロジェクトを遂行していく上で、後日問題にならないように、御社の考えを頂戴できれば幸いです。


昨年「定本 解析概論」が出版され、高木先生の著作が電子化されることへの懸念はあるかもしれませんが、WikisourceにはPDF出力機能があるももの品質はあまりよくなく書籍の品質にはかないません。むしろ本プロジェクトによって、整数論に興味をもつ方が増えるのではないかと考えています。


なお、本質問内容はWeb上 ( http://d.hatena.ne.jp/cocoatomo/20110110/1294663688 ) に公開しており、できましたら御社からの回答内容も同ブログにて公開させていただきたいと考えております。

追記: @random_oracle さんの指摘を受け, 公開場所を明記しました.

追記 [2011/01/12]: メールを送信しました.

私的な話

私自身はここらへんの奥村先生の Tweet でプロジェクトの存在を知りました.
有名な解析概論はもちろんプロジェクトの対象になっていたし, 代数学講義と初等整数論講義もプロジェクトの対象になっていました.

しかし, 代数的整数論という本が対象に入っていなかったので, じゃあ作るかと自分で目次を作ってみました.


この本は高校の図書館に, ある夭折した卒業生から寄贈された本で構成された文庫があり, そこで出会ったのが最初の出会いでした. そしてその文庫にはあの加藤和也先生の解決!フェルマーの最終定理―現代数論の軌跡もあり, その2つの書籍のおかげですっかり数論に魅せられてしまいました. (内容なんてこれっぽちも分かってなかったのに^-^;)


そんなことがあり大学では整数論を選んで進んでいくのですが, その後挫折した話はまた別の機会にでも話せたら話します. まぁ人生色々ありますね.